フライフィッシングの小部屋



 手作りコーナー


  100円ショップのフライボックス




    フライショップに足を運ぶと、ともかく商品が高い!フライボックスもそんな印象を受ける一つだ。
    安くて機能的で、使い易いフライボックスは作れないだろうか。


    そこで出掛けたのは100円ショップ。この店は、フライフィッシング関連商品の宝庫?まさかそんな…。
    確かに、子供が遊べる釣り道具も売っている。


    様々な商品を、想像力を巡らせながらじっくり良く見る。
    すると、フライフィッシングに使えそうな品物が見えてくるのだ。
    フライタイニングには、毛糸やキラキラした糸がピッタリ。また小さな球形のボンボンも何かに使えそう。


    そして、見付けたのが、2個で100円の『小物ケース』。
    仕切りのないプラスティックの透明な小さな箱は、錠剤や文具などの小物を収納するための箱らしい。
    大きさは、縦が8センチで横が15センチ、厚みは2、6センチ
    パチンと蓋を開ければ、両面にフライを収納できそうだ。


    さらに探すと、『すき間テープ』を発見。窓枠と柱のすき間から、寒風が入り込まないように貼るテープだ。
    色はグレイのEVA樹脂製で幅9ミリ、厚みは5ミリ、長さは5、5メートルで100円。
    しかも接着テープが片面に付いているので、簡単に接着できそうだ。


    作り方は、実に簡単。
    まず、小物ケースを開き、内側の幅を計ってすき間テープをその長さに合わせて切る。
    そして、ケースに接着テープでしっかりと貼り付ける。
    フライの大きさや長さを考慮しながら、7本のテープを並べて貼り、さらに蓋側も同じようにテープを貼る。
    それから、フライを挟み込むための切り込みをカッターナイフで入れて行く。
    これで全てが完成。
    フックのポイント(ハリ先)部分が、EVA樹脂に両側から挟まれている状態なので、
    箱が激しく動いても外れることがない。


    おおむね1ボックスで、ドライフライなら98個が収納可能だ。
    ドライフライ用、ウェットフライ用、マーカー釣り用と自分なりの区分けでフライボックス別に収め、
    ベストのポケットに入れている。
    このフライボックス、小物ケースとすき間テープを使い、1個あたりの原価は55円也。



  マーカー




    マーカー釣りには、釣り糸の途中にマーカーを付けなければならない。
    さて、このマーカー、色々な種類が販売されているが、手作り出来ないだろうか。


    そこで、釣り具屋を覗いて見付けたのが、硬質の発泡スチロールの円柱(棒)。
    『発泡材穴アキ8ミリ』と表示された日本製で、
    長さ50センチの棒が2本と、芯に使うらしい透明なプラスティックの細い棒が入って
    税込み189円也(釣り具のキャスティング)。
    元々が浮子を自作するための材料らしい。
    太さは色々あるが、結果的に使い易いのはこの直径8ミリの棒だった。
    これを25ミリほどの長さで切断し、中心の芯(あらかじめ細い穴が通っている)を千枚通しなどで太くして行く。
    後ほどこの穴には蛍光パイプ(内径0、8ミリ)を通すためだ。


    次に、100円ショップで購入した『鉛筆削り』でクルクルと削る。
    片側が終わったら反対側も削り、全体像が見えてくる。棒の前後が尖った感じで出来上がる。
    真っ白な状態のマーカーを釣り用『蛍光塗料』で好きな色に塗り、
    乾いたら蛍光パイプを中心に通し、前後を瞬間接着剤で固定。
    マーカーの前後から2ミリほど出た状態で蛍光パイプを切る。


    使い方は、マーカーの芯を釣り糸が通り抜け、前後どちらかを楊枝の先を挟み込んで固定する
    浮子下を変えるときは、楊枝を抜いてマーカーを動かし、再び楊枝で固定。


    丸いマーカーが好きなら、手芸店で販売されている球形の発泡スチロール(直径8ミリか10ミリ)を利用する。
    ただ、柔らかいタイプの発泡スチロールなので、注意しないと蛍光塗料で溶ける場合がある。
    また、必ずパイプを通さないと、使用中に中心の穴が拡大してしまう。


  不用釣り糸処理器




    フライフィッシングをしていると、かなり頻繁にフライを付け替える。
    すると、その度にティッペット(細い釣り糸)はどんどん短くなる。
    そして、やがては新しいティペットに結び変えなければならなくなる。


    リーダーの先端に古い糸がまだ20センチほど残っているが、
    それは切り取り新しい糸に交換するわけだ。
    と、当然だが古い糸は、必然的に使えないゴミとなる。


    この糸を上手い具合に処理できないだろうか、と考えた。
    透明な細い釣り糸だけに実に厄介だ。
    一度でも足下に落としてしまえば、見付けることも難しい。
    しかも、短いので巻き取りにくい。


    もしも、知らん顔でその場に放置すれば、それこそ釣り場は汚れ、
    様々な弊害の元にもなるだろう。


    そこで思いついたのが、マジックテープの使用だった。
    黒い不思議な布で、2本のテープがかなり強力にくっつく。
    表面がブラシ状に出っ張ったテープの方に、釣り糸を当ててみた。
    すると、しっかりとくっつくのだ。


    「これなら仕える」と判断し、マジックテープを棒状の物に接着することにした。
    棒状と言えば、マーカーにも使った発砲スチロールがあるではないか。


    発泡スチロールの棒を5センチほどにカットし、端に穴を開け凧糸を通した。
    次に、マジックテープを両面テープで棒に接着。
    これで完成だ。


    実に簡単で、
    凧糸をピンオンリールに取り付けベストのポケットに忍ばせれば、全ての準備が整う。


    釣り場で、切り取った余分な釣り糸が出たときは、
    『不用釣り糸処理器』をポケットから引き出してマジックテープにグルグルと巻き、さっと手を離す。
    すると処理器は、スルスルとポケットに収納される。


    釣りを楽しみ自宅へ戻ったら、
    ハサミかカッターで釣り糸を切断しながらマジックテープから引きはがしゴミ箱へ捨てる。
    カミツブシのオモリなどが付いた状態の釣り糸も、しっかりと巻き付くのでとても便利だ。





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